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「子どもと自然の中で」から始まった挑戦!IT×農業を始めた本当の理由

月曜から木曜は東京でシステム開発、金曜から日曜は新潟で米作り。一見無謀に見える二拠点生活を続けながら、ITと農業という異分野を掛け合わせた独自のビジネスモデルを築く起業家がいます。

IT×農業の事業を運営するTryTree代表 二宮さんです。

「子育て環境を変えたい」という純粋な想いから始まった挑戦は、今では地域創生や新しい働き方のモデルケースとして注目を集めています。

※本インタビューは2025年7月に実施した内容をもとに作成しています。

この記事を読んでわかること
  • IT×農業について
  • 二拠点生活について
  • 子育て×企業について

システム開発の「見えない壁」を農業が教えてくれたこと

ITと農業、全く違う分野を組み合わせるアイデアはどこから生まれたのでしょうか?

実は最初から計画していたわけではないんです。人材系企業でITエンジニアの派遣事業に10年携わっていましたが、システム開発には一つの課題を感じていました。

作り手として、システムを実際に使う人の顔が見えない。本当に役立っているのか、使いやすいのか、現場の声が届きにくいんです。

一方で農業は真逆でした。自分で作った米を直接お客様に届けて、「おいしかった」という声をいただける。この違いが、両方を経験することの価値を教えてくれました。

具体的にはどのようなサービスを展開されているのですか?

現在メインで提供しているのは、農家の販路開拓を支援するサービス「やろっさ!」です。従来は流通させていなかった地域への販売や直接販売を可能にすることで、農家さんの利益率を大幅に向上させることができています。

今後は農地環境の見える化や作物の発育状況を観測するシステムも展開予定です。ただし、データや機能を詰め込むのではなく、農業の現場を知っているからこそ作れる「本当に必要で使いやすい」システムにこだわっています。

子育てがきっかけの人生転換

そもそも農業を始めたきっかけは何だったのでしょうか?

子どもが小学校に上がるタイミングで、都市部ではなく自然豊かな環境で子育てをしたいと考えてUターンしました。当初は前職の経験を活かしてシステム開発事業だけで起業するつもりでしたが、実家に田んぼがあったこともあり、「せっかくなら農業もやってみよう」と。

今思えば、この軽い気持ちでの決断が、現在のビジネスモデルの核心部分になっています。

起業当初の困難はありましたか?

一番苦労したのは市場開拓でした。新潟はシステム開発の市場規模が限られているため、東京での実績作りが必要でした。それが現在の二拠点生活につながっています。

幸い初期投資はほとんど必要なかったので、リスクを抑えながらスタートできました。

新潟⇔東京、二拠点生活の現実

平日は東京、休日は新潟という生活を続けられている理由は?

リモートワークという選択肢もありましたが、私は直接対面でコミュニケーションを取る方が性に合っているんです。特にシステム開発では、お客様の本当のニーズを汲み取るために、対面での細かなやり取りが重要だと感じています。

移動は基本的に業務時間外に行い、複数人で移動する時は車、一人の場合は新幹線というように、コストを最小限に抑える工夫をしています。

二拠点生活のメリット・デメリットは?

最大のメリットは、常に東京の最新トレンドに触れながら、地方のリアルな課題も肌で感じられることです。お客様から「東京と地方の違いについて教えて」と相談されることも多く、両方を知っているからこそできる提案があります。

デメリットは正直、移動費と家族との時間が制限されることです。でも、家族も私の挑戦を理解してくれているので、なんとか続けられています。

 地域と未来への想い

地域貢献についてはどのような取り組みをされていますか?

65歳以上の方々に田んぼの管理をお願いしたり、行政と連携してDX講座やプログラミング教育を実施したりしています。小さな積み重ねですが、地域の方々から「一緒に頑張ろう」と応援していただけるのが何よりの励みです。

将来の展望について聞かせてください

課長になった2030年には他地域での地方創生事業を確立し、2040年には教育事業の本格展開を目指しています。実は海外展開も準備中なんです。ときも、また違う面白さに気がつきました。

農業は「毎年1年生」と言われる世界です。自然相手なので正解がない。だからこそ、いつから始めても遅くないし、新しい可能性を切り開けると信じています。

挑戦を考える人へのメッセージ

同じような挑戦を考えている方へアドバイスはありますか?

二拠点生活も農業も、最初から完璧を目指す必要はありません。まずは無理をせずに試してみることが大切です。

特に農業は、日々変化に対応する必要があって大変ですが、その分多くの気づきと成長を得られます。自然を相手にする仕事だからこそ、人間としても成長できる。そんな魅力的な世界だと、実際にやってみて感じています。

記事を書いた人
oguchi
越後ノ灯編集部
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